人のご縁てどこでどうなるか本当にわからないものです。
一期一会みたいなたった1度の出会いもあれば、会った瞬間じゃなくても「時」がくると接触頻度が高くなったり、逆になぜか疎遠になったり。
今回はそんなわたしの人生においてキーマンとなる友だち「女王様」のお話をしようかと。
とはいっても、素性は明かせないのですみません。
女王様といっても本職でムチ持ったり、ピンヒールで踏んだりとかそういうことではなくて気質がね、女王様なんです。
ふつうに服着てるんだけど、なぜかボンデージがうっすら見えてくるから不思議。
あまりにも周りに「ホンモノの女王様いける」と言われるので、いろいろリサーチしてみたらしいけど「やっぱりホンモノは違うよ」と断念してたっけ。
「わたしはMをいじめても何もおもしろくない。Sをいじめるのが楽しい」とのこと。
とはいえ。
一般常識を備えているし、高圧的な態度を誰彼に取るということでなくて自信たっぷりエキスがダダ漏れている、感じ。
「とりあえず褒めとけば機嫌いいから♪」と本人の言うとおり、
褒めようものなら。
決して。
決して。
「そんなことないよー」
なんて言わない。
「うん。知ってる!」
もしくは、
「あら、ありがとう!」
自分の栄養になるものはすべて吸収していくの。
ちなみに学生時代に同じ時間を共有したことはなく、大人になってからのご縁です。
初めて出会った日
そんな彼女と初対面を果たしたのは……
覚えていない。
女王様の元旦那がわたしと小中同じ学校だったことから、共通の知人Kくんを介して顔を合わすことになったんだけどお互いハッキリと覚えていない。
(元旦那だから今はシングルです)
Kくんはわたしが好きな曲のレコードをたくさん持っていて、遊びに行くといつもターンテーブルをまわしてくれた人。
彼の家もたまり場になっていてそこに恋人時代だった彼らが現れた。
のではないか?という話で先日落ち着いたのだけども。
彼女の第一印象は「強そう」「スタイルがいい」。
なんだか自信に満ち溢れているような感じだったかな。
わたしが人見知りだったのに、フレンドリーに絡んでくれたような気がする。
だけど。
元旦那のしでかしっぷりがひどくて、人が変わったように激怒していたっけな。
まぁムリもないです。
この元旦那、友だちの結婚式の二次会で酔っ払ってね、お店に置いてあった人が入れそうなお水たっぷりの壺にスーツのまま浸かったから。
周りが引いた。
(彼女が怒る絵面がみんなの目に浮かんだのよね)
で、やっぱりこわいかもって思った。
でも元旦那以外と話すときはやさしいんだ。
ブランク約15年
今でこそ月2で会うくらいの関係になったものの、以前は人との接触にいちいちざわついていたので、出会った当初は遊ぼうなんて思いもしなかったです。
ただ、この同年代がらみの宴場所が彼女(元旦那)の家だったので、Kくん経由で声がかかって行けるときに行ってたくらい。
だから会って1年に1回。
都合がつかなければ当然会わないので、全然なじまないわけで。
家に行っても緊張してあまり話せなかったから、彼女が飼ってる犬と遊んでたっけな。
たしか女王様と直で連絡取る手段もなかったような気がする。
そんなある日。
女王様と共通の女友だちからランチに行こうってお誘いがきました。
このとき初めて出会ってから15年くらい経ってたかな。
ちょうどいろいろあって「自分に自信をもちたい」と、ストリートダンスに通ってる最中だった。
ランチを食べ終えて、女王様の家に着いたら「ジェルネイルやってみる?」って言われて。
彼女は美容師経験後、ネイルに興味が出て独学でいろいろスキルを身につけたみたいです。
一方で、わたしはマニキュアは塗るものの、職業柄どうしてもはがれてしまうからモチが悪くて諦めてました。
だから「すぐ取れちゃうし……」と渋っていたのだけれど、ジェルネイルはマニキュアと違ってモチがいいとのこと。
それならと、初のジェルネイルをお願いしました。
これがピッカピカのつやっつやで。
マニキュアなんて比じゃないくらいモチがいい。
この日を境に月1で女王様宅におじゃますることになりました。
爪が伸びてしまうのでリペアするためです。
でもこれがきっかけでいろ〜んな話をしていくうち、自己肯定感が変化していくんです。
女王様を分析
今でこそツッコミも入れられるようになったけど、当時は普通に話すのも勇気がいったってこと打ち明けたら、女王様はポカーンとしていたっけ。
で、なんでそんなに近寄りがたかったのかを考えてみたのです。
パッと浮かんたのが、
・圧倒的な自己肯定感の高さ
・自己主張の強さ
・声が素で大きい
女王様は自信のかたまり。
ことあるごとにおっしゃっております。
「わたしはキレイで美人」
(同じ意味じゃないか?)
自分でここをしっかり自覚しておられるので他人から「キレイですね」と褒められると当然、
「うん!(知ってる)」
と返し、その場に「・・・」が見える空気を作る。
そして物ごとをふわっとさせず、ハッキリ言うのです。
ここが元旦那の父、つまり義父から「ハッキリものを言いすぎる」と指摘されるわけですが、
「ハッキリ言って何が悪い」
えぇ、そうね。
あなたにとってオブラートってないのよね。
ただね、場の空気は読みます。
だから余計なことを言わないっていうことももちろんできます。
あとは読んだうえで。
あえて。
ぶっこむ。
ということがあるので主張が強いというか、言いたいことをハッキリ述べるということですかね。
(いや、主張は強いな)
で、通常の声が大きいのでちょっとヒートアップすると、とおぉっても大きくなります。
もともと大きい音が得意でないわたしは、ここにビクつくんですわ。
最近は「声が大きい」って伝えるんですけど、幼少期から舞台をやっていたせいなのか、ナチュラルで大きいようなのでこれからも変わらないかな。
ちなみにわたしは笑い声だけが腹式に変わり、室内で爆笑すると全部外に漏れるくらいやたらと通るようになります。
そういえば、女王様宅のLEDライトを爆笑して切ってしまったことがあったな。
で、女王様がなぜこんなに自信満々になっているのかというと。
彼女の父上の育て方に秘密があるみたい。
女王様の母上はうちと似ていて、ヒステリックなタイプなんだけど、父上はとにかく褒める人だったらしい。
ことあるごとに「おまえはかわいい」って育ったって言ってました。
でもなんでもかんでもOKってわけじゃなくて、どえらい怒られたこともあるらしいんだけど、彼女の人格をいつも満たすような声かけをしてくれたみたいです。
このとき親からの言葉ってすごく大事なんだなって思いました。(かわいいって言われつづけるとこうなる?)
わたしはあんまり褒められた記憶がないもんで。
変化
女王様と急接近するようになって、お互いのことを知る機会が多くなりました。
お金や性、子ども、食べ物、トラウマなどの話をします。
基本的には人の心の本質みたいな話が多いのでとても楽しいです。
食べることが好きで、今までひとりであちこち行ってたんだけど(単独行動好きだからね)、女王様とシェアすることが多くなりました。
そしてうれしかったのが、わたしのいいところを自然と褒めてくれるところ。
ウソをつかない人だとわかっているので、自分を客観視するキッカケになりました。
おかげで自己肯定感マイナスくらいどうしようもなかった自分が少しずつ芽吹き始めてます。
自分への褒め言葉をあっさり受け入れる女王様を見ていると、自己肯定感なんてどうでもよくなってしまって。
なんというか、突然高くはならないんだけどそこに気を取られなくなったというか。
別に彼女は無理して自信を保ちつづけてるわけでもないし、むしろ自分の気持ちに正直だなって思ったんです。
それに気づいてから、わたしも自分のことを受け入れられた感じがありました。
「自己肯定感が低くてもいいじゃん」って。
この開き直りというか、自分に許可を出したことがすごくラクになれてホッとしました。
まだ女王様みたいに褒められ慣れていないけど、少しずつ変化を感じています。
誰かが自分のいいところを伝えてくれたら「ありがとう」って素直に言える気持ちは大事だな、と。
あとはそれをどう活かして生きたいように生きていこうかな。
そうそう。
女王様は料理もお上手で。
手際よくパパッと作れておいしい。
それもポテトサラダとかおみそ汁、煮込み系っていう定番ぽいのから、ゴマ団子やレアチーズケーキ、アイス(アイスクリームメーカー手に入れてた)なんていうデザートまでいける。
最近作ったのが、
キムチ
ちなみに彼女は辛いものが苦手だから唐辛子を入れずに作りました。
ところがおいしくない、と2人の息子が食べない。
そこであとから唐辛子を足したものを味見させてもらったら、
辛い。
女王様は「誰も食べてくれないんだけど、いる?」というのでとジップロックにいっぱいもらってきました。
市販のものより雑味がなくてとっても食べやすい。
でも辛い。
で、なぜキムチを作ったのがとても不思議だったんだけど
「わたし辛いのが苦手で食べれないと思ってたんだけど、そもそもキムチが好きじゃなかったのよ。びっくりしたー」
すごいよ。
キライなのにこんなにおいしく作れるなんて。
また作ってほしい。
あのときのご縁がこんなふうになるなんて1ミリも想像しなかったけど、変わりたいって思った頃から接触頻度が高くなったから、今がどうであったとしても「こうなりたい」っていう希望を持っててよかったな。
いつも刺激をありがとう。
これからもよろしくです。