これだけ便利な世の中になって、ほしいものが何かと手に入りやすい時代になっても悩みは尽きない。
充実した人生を送るにはどうしたらいいのか。
情報も溢れかえり、容易に「幸せ術」なるものが手に入るのになかなか見つけられない人も多いような気がする。
別に悩むことが悪いわけじゃないんだけれど、もし「どう生きるべきか」と歩みを止めてしまうくらいなら、こんなふうに考えてみてはどうだろう。
「どう生きたいか」
あなたにとって幸せな人生とはなんだろう?
今回紹介する本『ダンスで世界を変えた人生サバイブ術 逆境モチベQUEEN』にヒントが綴られている。
こんな人に読んでほしい
・夢を持っている
・やりたいことはあるけど一歩が踏みだせない
・失敗がこわい
・背中を押されたい
・自分にエネルギーを注入したい
・人を育てるってむずかしいと感じている
まぁ、つまりほとんどの人に読んでもらいたいことになる。
活躍っぷりは以前から知っていたが、近年はメディアにも頻繁に登場するようになったリエハタさん。
ダンサーという枠を超えたことで、さまざまなジャンルの著名人とコラボする姿もみかけるようになった。
そしてついに本まで出してしまったのだ。
こちら、単なる「いちダンサーの成功ロードマップ」の本ではない。
それならわざわざ紹介しないのだ。
人は生きている以上、必ず壁にぶちあたる。
そのたびに自分の選択がまちがっていたのではないか、もっといい方法があったのではないかと思い巡らすことも少なくない。
リエさんは、たとえそうであったとしても止まらない。
どんなルートを辿っても進める道はとにかく進む。
そう、彼女にとって一見つまずきに思える「壁」はすべて「扉」なのだ。
この本はその扉に鍵がかかっていたとしても、「必ず開ける」と決めて突き進む姿が描かれてる。
リエハタ
レディ・ガガ、クリス・ブラウン、BTS、EXILE……と、タッグを組んだアーティストを挙げるとキリがない。
2024年2月現在でインスタフォロワー数70万人超え。
この本の著者であるリエハタさんは、実に多彩な才能を開花させている。
「させている」と書いたのは「彼女だからできた」という資質だけのことではないと感じたから。
あらゆる逆境に直面したときの工夫と爆走エネルギーがとんでもないのだ。
そういう点でいうと「彼女だからできた」とも言えるのだが、心が折れそうになりながらも一歩も引かない力強さというのは、果たして一部の人だけにあるものなのだろうか。
本業はダンサーだが、シンガーやコレオグラファー(振付師)としても活躍し、アパレルも手がけ、2人の子どもを持つママ、そして社長でもある。
「一兎を追うもの二兎も得ず」なんて言葉は吹き飛んでこなごな。
いったい何兎つかまえたのだろうと思うくらいのさまざまな顔を持つ。
そして注目したいのは、ダンサーだけでなくダンスとは直接関わっていない人たちからも支持されているところ。
今や彼女が身につけているスキンケア、メイクやファッション、香水などファンにとっては気になって仕方がないほど憧れの存在となっている。
わたしがリエハタさんを知ったのは、2015年頃だったかな。
婚約破棄をきっかけになぜか婚活ではなく、ダンスレッスンに通い始めて毎日ヒーヒー言ってた。
筋肉痛がなかった日がないくらい。
もともとブラックミュージックが好きだったからいろいろ聴いていたけど、これまで以上に魅力的な音楽やダンサーをSNSで知ることになる。
インスタで見かけたリエさんは、一般的なママとはかなり違うファンキーなスタイルでベビーを抱いていたっけ。
そしてダンス動画を見て驚愕したものよ。
全身の毛穴がバッと開いて産毛まで逆立つような興奮を覚えた。
ダンスがうまいとか、かっこいいという表現はよくあるもので、もちろんリエさんもそうなのだが、なんで毛穴まで開いてしまったのかと考えてみると、パッションとかエネルギーに圧倒されたんだな。
これどれだけすごいことかっていうと、臨場感があるリアルなところではなく動画だけでってところ。
もちろん感じ方も好みも人によってちがうけど。
でもダンスをしない人たちからも指示されてるところをみると、ダンサーという枠を超えた、リエハタっていう「1人の人間力」が放つ光はたしかかと。
幸せな人生とは?
人の数ほど答えはあると思うんだけど、たとえば
「お金も時間も自由に使える人生」
「人間関係に恵まれた人生」
「好きなことを仕事にした人生」
あたりがパッと思いつくところかな、と。
もしくは
「住む家があって、食べるものに困らず、安全に暮らせる」
なんていうのも、生きている環境によっては幸せの条件になる。
つまりこれって「どうなったら満たされるか」っていう個人の願望が基準になるかと。
ひとつには絞れないよなぁ。
でもね、この本に出会って今までになかった「幸せ観」みたいなものがふつふつと湧いてきた。
「自分の気持ちに素直であること」
そもそも人は自分の本当の気持ちを理解していないことが多い。
もちろんわたし自身も。
子どもの頃に単純に好きで「こうしたい!」みたいに、たしかに存在した願望が、大人になるにつれ現状とのギャップに「でもな……」と変わってしまうからなのか。
特に今はあまりにも多くの情報が溢れていて、容赦なく飛び込んでくる。
自分の気持ちと世間や周りの目、どちらに照準を合わせているかわからなくなることが多いんじゃないかな。
「これでいい」と妥協しているかもしれないのに、これが「正直な気持ち」という顔をするのが大人は得意だし。
子どものときに好きだったこと、とにかく楽しかったこと、もし今も変わらないなら、それにひたる時間を増やしてみるのもいいかもしれない。
まとめ
自分の人生のリミットはみんなそれぞれ決まっているから、やりたいと思うことが全部できるとは限らない。
でもリエさんはやりたいことを叶えていて、今も続行中。
一体どこにそのエネルギーがあるのか、この本を読むことで彼女の謎が少しわかるかもしれない。
幼い段階で自分の好きなこと、特徴をいち早く理解して「生きる道」を選択したリエさん。
インスタの投稿からは、さぞかし恵まれた環境で今の地位を築いたものと思い込んでいたのにとんでもない勘違いだった。
迷っていても悩んでいても「情熱」という心の火だけは消さなければ必ず道はある。
某テレビ番組のインタビューで彼女はそれを「たき火」と言っていた。
「火が消えそうでも、絶対消えない!って風を送り続けたら必ずまた燃え上がる」と。
リエさんのすごさを書くとキリがないのだが「逆境クイーン」には、とにかく「人生に本気で挑む」姿が終始描かれている。
ダンサーというのは「わたしが1番」で「いかに目立つか」という競争の世界。
そんななかで感謝と謙虚、初心や情熱を忘れずに生き抜いてきた彼女をぜひ感じてほしい。
そんなリエさんだからこそ、前述したアーティストのほかにも「えっ!?この人ともコラボしてるの??」と驚くようなチーム、個人との接点がある。
それくらい世界からのラブコールが絶えない稀有の存在なのだ。
そしてプレーヤーとしてだけでなく「リエハタイズム」の継承者を育成するスキルも持ち合わせている。
実際、彼女が指導したダンサーは世界で活躍しているし、各々の個性が突出しているにも関わらず、息がピッタリあったチームとして、こちらも圧巻。
2024年現在では、さらなる人材育成のためにカフェを併設したダンススタジオをオープンさせ、自らも現役のインスタラクターとして活躍している。
この本の巻末を閉じたとき「これは難しいかな」と思っていたやりたいことも「とりあえずやってみようか」っていう気持ちになれた。
1人でも多くの人が自分の人生を楽しめるキッカケになれれば幸いです。
落ち着いたらリエさんのレッスンを受けてみたい。